Stanford University訪問と著名人のトークセッションプログラム
Jannovation Week 2日目
本日の予定は、Stanford University見学とそこでトークセッションが組まれていました。あと、シリコンバレーで開催されているSilicon Valley New Tech Meetupに参加し、最新のHOTなDemoを見てネットワーキングをするというプログラムでした。
まずはStanford University見学とトークセッションについて。
Richard B.Dasherさんによるプレゼン
■ シリコンバレーの特徴
シリコンバレー以外の地域では、ニッチ・マーケットから脱出できないのがほとんど
- 起業文化を形成する上で大切なのはやはり人材
大学、企業、VC、インキュベータなど
- シリコンバレーでは実行能力が高くないといけない、アイディアだけあっても実行できなければ成功はしないだろう
- Noとは言わない文化、変化に対する障壁があっても我慢しない文化が醸成
ここが大きく日本と違なっており、失敗のリスクを追っても良いという考えはこことも関係している
- 務めている企業での挫折からアイディアが生まれるというパターンが多い
- 創立チームに起業の経験者が入ることも多い。失敗/成功に関係無く経験は価値ととらえる
- Prototypeからproductに変わった段階で、大手企業がサポート(事例として導入)することも多い
- Exitまでのサイクルが短いというのは、再度新しいスタートアップを創出することができるというのにつながっている
日本では起業するとそれを継承していく文化だが、シリコンバレーでは起業に成功すると、次の起業にチャレンジというサイクルができている
- 大手企業が買収するという環境であることもExit成功を高めている要素となっている
- 起業家でも投資家と馬が合わない場合は首を切られることもある。そのため個人的成功と会社的成功を別々で考えるようにすべき
- 7〜10回くらい会社を点々とする人も多い
■ その他
- シリコンバレーのように新規起業が日本企業から出てこないのはなぜか
・日本の大企業は全て社内で解決できると思っているのではないか?
・いいアイディアは社内で生み出すものと思っているのではないか?
社内からだけでなく外部からも取り入れないといけない
・人材評価がパーソナルではなく企業になっている
大手企業に務めていると周りからスゴイと思われるのが日本。が、シリコンバレーの場合はそうではない。フォーカスは企業ではなくパーソン
Tomi Brooksさんによるプレゼン
シリウステクノロジー勤務、最終的にYahoo!Japanによる買収(Exit)に成功。
今回はシリウスの海外展開の経験談について語ってもらうことに。
- 2004年設立で2008年にUS設立
海外展開を考え始めたの当初から海外の大手企業による買収を想定
- なぜシリコンバレーを選択したか
・IT情報発信源
・人材
・JETROによる支援
- 2009年にPnP TechCenterに移転した理由
・チーム拡大(オフィスの必要性)
・PnPが人材確保の支援をしてくれる
・業界イベントが多い(ネットワーキングやパートナー探し)
- 2010年San Franciscoに移転した理由
・customerがSan Franciscoに多かったため
- 2010/08 Yahoo!Japanによる買収
■ シリウスの海外展開を振り返って
- 新規パートナー獲得
LinkedInの活用することで、実際に大手企業を顧客として獲得することにも成功
- イベントへの参加
参加するだけでなくプレゼン(Demo)する機会も大切
イベントでの交流から顧客獲得となることも
- 人材とチーム
・知人の紹介は信頼性が高い
・イベントでのプレゼンで人材募集PR
- チーム編成
・フェーズによって求める人材は変化する
・人材を保持する仕組みの重要性
その人にとっても何らかのバリューを提供できるようにすべきだと考えるようになった
Ray Griselhuberさんによるプレゼン
GinzaMetricsのCEO兼Founder。
GinzaMetricsは、オンラインマーケティングの解析のためのプラットフォーム。
- 500startupsのアプローチ
- 日本でベンチャーが難しいと思う理由
・Angelが少ない
エコシステムにお金をまわせていないのでは..
・Exitが無い
日本ではIPOしか無い。BuyOutすると"うまくいかなかったんだね"と思われる
- Y Combinatorに投資してもらうことの最大のメリットはネットワーク
・投資額は比較的少額かもしれないが、ネットワークが広がることのメリットは大きい
- 大手企業がベンチャーをBuyする理由
・Tarentが欲しい
・企業テーマに沿っているものなら欲しい(例えばGoogleならLocalのサービスならすぐに欲しがるだろう)
- Y Combinatorについて
・ビジネスに関する口出しは少なく自由にやることができる
・口出しは少ないがアドバイスを求めれば、話し合いの時間は準備してくれる
・Y Combinator自体が企業として大きくなっているが、投資額は少額のままで投資先が年々増えている
全てのトークセッションを聞いての個人的感想。
日本で新規起業が日本企業から出てこないというのは私が属するSonicGardenでもいろいろ経験しているので共感するところは多かった。
いろいろと起業の話を聞くにつれ、起業家になりたいというモチベーションは皆どこから湧いてくるのかという興味も湧いてきた。
投資家に向けてDemoをする際は、そのサービスの特徴や差別化ポイント、マネタイズについて簡単に説明することを求められるのは当たり前のことだが、起業家となり頑張るためのモチベーションを維持/向上させるためには何らかの目的が無いといけないはずだ。
目的は人それぞれだと思うが、社会貢献のため?より良い世の中(不便解消/効率向上)にしたいため?地位・名誉のため?お金のため?
この点については明日、いろんな人にヒアリングしてみようと思います。
続いて後半のSilicon Valley New Tech Meetupについて。
本日のMeetupでのDemoは以下の4つ。
クレジットカードをiPhoneで撮影し、その画像をスキャンしてクレジットカードの番号および有効期限をimportするというもの。
講義ノートを共有しよう!というサービス。高校生がサービスを作ってDemoもしていることに感動すら覚えた。
Android専用ブラウザで、このブラウザを使えばFingerGestureをブラウザで利用できたり、端末のアクション(振ったり)で操作できるようになるらしい。
一言で言うと、相乗り手助けサービス。同じ目的地に行く人の車に載せてもらい、報酬としてガソリン代程度を支払うというコンセプトのサービス。
ここからは個人的感想。
このMeetupに参加して、ネットワーキングの時間に入る前に採用の情報をアナウンスしており、シリコンバレーでは優秀な人材を採用するのも一苦労なんだというのを垣間見れた気がした。
ちなみにこのMeetupは、Developersも多いがinvestorsの割合も多いとのことだった。
ネットワーキングの時間にyouRoomの説明を英語でチャレンジしてみたが、やはり日本語のようにうまくは伝わらず悪戦苦闘してしまった。まっ、それもまたイイ経験。