ふりかえりの「Keep」は褒めるためのもの?Keepも改善のインプットとして考えよう
ソニックガーデンでは頻繁に「Keep=よかったこと」「Problem=悪かったこと」「Try=次に試すこと」の3つのフレームワークで考える「KPT」による ふりかえり を実施しています。
継続的に個人・組織をカイゼンしていくためのフレームワークなので、問題を炙りだしてその解決策を考え次へのチャレンジを実践していくところ(ProblemとTry)にフォーカスされがちですが、今回はあまり注目されていないKeepを少し掘り下げてみます。
ここからは毎週末に実施している弟子とのふりかえりを例に話をすすめていきます。
KeepがなぜKeepなのか?
よくあるふりかえりのKeepに
- 予定通りタスクを進められた
- 意識を変えれたのでうまくいくようになった
などが挙がります。
うまくいったことは素晴らしいことですね。良いことなのでいっぱい褒めてあげましょう!
ただ、褒めるだけで終わってよいのでしょうか?
うまくいったのには理由があるはずです。過去の自分と今の自分の行動で何かしらの変化があったから、うまくいくようになったのではないでしょうか。
そのため、自分自身(レビューイ)の"行動にどんな変化があったのか"が分析できていない場合はそれを掘り下げていきましょう。
例えば、"予定通りタスクを進められた" について、ソニックガーデンの弟子 @regonn とふりかえりで一緒に掘り下げてみたものを思い出してみると以下のようなものがありました。
以下、 変化を掘り下げた結果 → 今後Keepの内容 という具合に書いておきます。
- タスクの粒度を小さくした
→ タスクの粒度が大きすぎると途中で混乱するため、1つのタスクは1時間以内で終わる粒度まで分解するように
- タスクの見積もり時に不明点を考えた
→ 不明点を事前に調査してからタスクにとりかかるように
- タスクをやっていく順番を変えた
→ 依存関係を考慮し、待ち時間が発生するものは早めに着手するように
- 分からないことを自分で解決しようとするのをやめた
→ 30分考えてもまったくわからない場合、抱え込んでストップするくらいなら有識者を頼るように
- タスク実施 → レビューNG → タスク実施 → レビューNG が無くなった
→ タスクを依頼される際にアウトプットの認識合わせをするように
- ブラウザのタブを開き過ぎないようにした
→ 目的のタブやウィンドウをすぐに探せるように、気が散るキッカケを削減するように
このようにKeepの内容を深堀りすることで、Keepすべき内容も変わってきます。
改善できたことのポイントも明確になりましたよね。
@regonn の成長だけでなく、今後 @regonn が弟子教育を担当するようになった場合にも、このふりかえり内容を伝承していくことができるようになり、結果として個人のふりかえりが組織の成長につながるようになりますね。
以上のように、行動にどんな変化があったのかに注目して掘り下げて考えることで、異なったKeepがみえてくる場合もありますので、Keepを単に褒める場として考えるのでなくカイゼンのインプットとして捉える意識をもって取り組んでみましょう。