よかろうもん!

アプリからインフラまで幅広くこなすいまどきのクラウドエンジニアが記す技術ブログ

「Zabbix統合監視徹底活用〜複雑化・大規模化するインフラの一元管理〜」を読んで

TIS Enterprise Ondemand ServiceというIaaSサービスを提供するTIS。そんなサービス運用で培った?Zabbix運用監視ノウハウ本が2月7日(金)に発売とのことです。著者は私がTIS時代に一緒に仕事をしていた池田くん(@ike_dai)です。
ご献本ありがとうございました!

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この本を読んでみて、"複数のプラットフォーム(イントラ/IaaS/PaaS)でサービスを運用している人や、IaaSのサービサーの人なら必ず読んでおきたい1冊"だと感じました。最近の仮想化技術やクラウドのトレンドの解説から始まり、実際にさまざまな環境をZabbixで運用監視するにはどうしたらよいかなどが書かれているためです。


本書のターゲットはZabbix運用を既にやっている方のようで、Zabbixの使い方を初心者向けに解説した本ではないため、Zabbixをまだ利用したことがない方はこの本を読む前に『Zabbix統合監視[実践]入門』や『Zabbix公式マニュアル』を読んでおくとよさそうです。

Zabbixオフィシャル日本語サイト :: エンタープライズクラスの分散監視オープンソースソリューション


また、Zabbixのことだけに興味がある人なら、PartⅡの6章以降から読むことをオススメします。パフォーマンス問題であったり、監視の効率化の話など、複雑なシステムを実際に運用されて得たノウハウを惜しみなく公開されていますので、Zabbixを利用していて問題に遭遇している人なら、解決策を見つけることができるかもしれない内容になっているからです。
本書内では、ZabbixやvSphereなどのAPI利用方法をサンプルスクリプトをまじえて解説してあるので、プログラミングやAPIに抵抗がある方でも気軽に試せると思います。

本書の後半では、監視対象が増えた時に困りがちなZabbixのバージョンアップやZabbixAgentの管理についてChefを使った継続運用のやり方や、Fluentdと連携したログ監視など、最近のトレンドに沿った利用方法が紹介されており、わたくし個人としても十分に楽しませていただきました。


最後に目次をのせておきます。

  • Part I 物理・仮想・クラウド環境運用の基礎知識
    • 第1章 多様化するインフラ環境
    • 第2章 物理環境の監視・管理
    • 第3章 仮想環境の監視・管理
    • 第4章 クラウド環境の監視・管理
    • 第5章 物理・仮想・クラウド混在環境の監視・管理
  • Part II Zabbixによる物理・仮想・クラウド混在環境の統合管理
    • 第6章 Zabbixの監視のしくみ
    • 第7章 監視の効率性向上
    • 第8章 構成情報管理の効率性向上
    • 第9章 設定ファイル,ソフトウェアパッケージ管理の効率性向上
    • 第10章 ログ管理の効率性向上
    • 第11章 環境操作の効率性向上
    • 第12章 HyClops for Zabbixの概要