よかろうもん!

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CyberAgent Americaの西條さんのトークセッション

Jannovation Weekが終わってだいぶ時間が経ちますが、Jannovation Week 4日目のプログラムのCyberAgent Americaの西條さんのトークセッションについてまとめておきます。
■ CyberAgent Americaのこれまでについて
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2008年くらいにUS(パラアルト)進出。パラアルトはインフラ系のTech系が多かったため、オフィスをサンフランシスコに移動。
2010/02までは2人だったが、今は30名くらいに。ここ8ヶ月で急成長している。
日本と同様で、現地採用を急に増やすのではなく、文化を守り続けれる程度でスタッフを増やしている。現状、ローカルスタッフは3割程度になっている。

iPhoneアプリについて

  • 最近はApp Storeの200位以内に入らないとDL数は増えない
  • 200位以内ランクインするためにBoostする仕組みを考え始めた
    • Boostメディアを作る => FREEAPP KINGをリリース
    • Sale中のアプリは意外と探されている
    • iPhoneのUIに合わせている
  • Boostメディア(FREEAPP)を作ったあとに、
    • 広告枠を準備したら、USでは営業に行かなくても広告枠が売れる(SKYPEやメールでOK)
    • 人気アプリになったら、勝手に広告枠を求めてくる人が増えた
    • USでは、問い合わせがあったらPDFで返すというスタイルでOK

■ ZOMBIE RESTAURANT(iPhoneアプリ)ができた背景
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USではゾンビが身近な存在であることに気づき、ゾンビ映画のヒット作をとにかく鑑賞して、ゾンビ映画の共通項を研究したらしい。
そして、以下のような共通項を導き出したそうだ

  • ゾンビの発生原因は不明
  • ゾンビは走る
  • なぜかショッピングセンターに逃げこむ
  • 用もないのに地下駐車場など危ない場所に行く...etc

そして、USのユーザが好むイラスト/デザインについても研究。
USにはプロダクトディレクターがコンセプト/詳細を詰め、実際に作っているのは日本や中国。
USで好まれるデザインと日本で好まれるデザインは異なるため、リリースする現地で好まれるものにすることが大切。
現在、最も苦労しているのはデザインで、今後デザイナーは現地採用していく予定。


■ 人材について

  • US進出時に最初に送り込む駐在員の選定で、語学ができる人を選定しようとするのが一般的。だが、一度でもビジネス経験がある人を送り込んだ方がよい
  • 送り込む駐在員が1〜2人の場合、滅入ってしまうので、JAIC等が提供するフロアを間借りするとよい
  • USと日本では流行りに温度差があるため、、、
    • 決裁担当者がUSの動向をきちんとキャッチアップしておかないと機会損失になる確率が高くなる(2007年頃からFacebookが来ているとUS駐在員が言っていたが、日本ではその感覚がわからず、有益な情報を生かせなかったことも)
    • USに来て情報収集をする決裁担当者は必須
    • 普及台数とかで見るより、アーリーアダプターの状況をみて判断していくことも大切(アーリーアダプターはお金を落とす)
    • 日本でiPhoneが流行る以前から、USでiPhone人気が出てきていたら、その時からiPhoneアプリを注目するような取り組みもした方がいい
  • 人事が難しい
    • 採用時に作業内容を明確にしておく必要あり
    • 保健額負担が大きい
    • リクルーティングしてもVisaが切れるので更新したい学生などの申込みが多く、あまりイイ人は来ない
  • 知り合いをたどって採用をしている
    • 日本に興味がある人や日本のコンテンツが好きな優秀なエンジニアを囲い込むことも
  • 現地で人脈のある人を雇った方がよい(情報収集、アポ取りで助かる)


■ piggとpicoの違い
piggは響きが豚(pig)になるのでイメージ悪いため。
実はCyberAgentという会社名も誤解されやすいらしい。Security会社?何かのAgent?というイメージを持たれるらしい。

最後に。
日本企業は日本で売れているもので海外展開しようとするが、ほとんどうまくいかないらしいので、CyberAgent Americaのように、現地を見て/知って、現地向けのサービスを始めることも大切とのことだ。